こんにちは、こら(@korasampo)です。
私、こらは2019年5月〜2020年12月までの約1年半、ネット印刷の事務兼DTPオペレーターとして仕事をしていました。
もちろん、ポスターやポストカード等も扱っていました!
そこで、お客様から入稿時されたデータのチェック時によくあったミスや、トラブルの原因になりそうな箇所をまとめてチェックリストにしてみました!
ぜひ、ご自身が印刷会社にデータを入稿する際のチェックにご活用ください!
今回はIllustratorデータ編です!
photoshop編はこちら
→【フォトショ編】初心者向け!オンラインのデータ入稿つくり方チェックポイント
※会社によってある程度の入稿ルールの違いはありますので、必ずお願いする会社のルールの確認をしてください。
この記事はこんな人にオススメ
- はじめて印刷会社にデータ入稿する予定のある人
- 改めて印刷物のデータを入稿するときのチェック項目を確認したい人
それでは、以下より、印刷データ作成時のポイントをご紹介します!
チェックリスト
最初に設定しておくといいもの
カラーモード
CMYKでの作成にします。
印刷物を作る時は、基本的にはこのCMYKとなります。
RGBモードは、スクリーンなど画面上での表示に適した色の再現となる為、やや鮮やかに見えますが、CMYKに変換すると、くすむ可能性があります。
色トラブルを避ける為にも、CMYKでデータを作りましょう。
※一部印刷会社では、RGB印刷、というものを扱っている会社さんもあるようです!
画像解像度
基本的には原寸(印刷したいサイズ)に対し、300dpiで設定しておきます。
dpiとは、「dots per inch」を略した単位で、1インチの幅の中にいくつのドットを打つくらいの密度の細かさで画像を作るか、ということです。
Illustratorのデータは、ベクターデータなので、基本的には解像度はあまり気にしませんが、
少ないdpiにしてしまうと、ドロップシャドウやぼかしを使用した際に効果部分が粗くなってしまいます。
↓72dpi に設定した場合のドロップシャドウ
↓300dpi に設定した場合のドロップシャドウ
ただし、解像度を高く設定すればするほどファイルサイズが重くなります。
データが重いと困るウェブ用データなどは72dpiの設定が好ましいです。
サイズ
基本的には仕上がり原寸サイズで作成します。
大型の印刷物の場合は、1/10サイズなどで入稿する場合もありますので、
その際は印刷会社に問い合わせましょう。
あとで、トンボをつけることを考え、アートボードをそのサイズにするだけでなく、
その仕上がりサイズの四角いオブジェクトを作っておくと良いでしょう。
(トンボについては次の項目へ)
こうなってしまうと、上下か左右が切れてしまったり、差し戻しになってしまうので注意してね。
トンボ(トリムマーク)とぬりたし
仕上がりサイズのオブジェクトに対してトンボを設定します。
設定したら、背景色が白(紙の色)でない限り、
トンボの端(3mm部分)まで背景をのばして作成しましょう。この3mmののばし部分を「ぬりたし」と言います。
なぜ、トンボと塗りたしが必要なのかというと、
印刷会社では、大きな紙に印刷をし、後から仕上がりサイズに断裁をして仕上げていきます。
その断裁の際の目標がトンボになります。
また、断裁時の誤差ズレで白場(下地の紙の色)が出ないように、塗りたしをつけます。
データ作成の時に注意すること
罫線の細さ
原寸サイズで、
K100の罫線を0.08mm(0.22pt)以下
白の罫線を0.1mm(0.28pt)以下
にしてしまうと、細すぎて印刷できない場合があります。
細すぎる罫線には気を付けましょう。
総インキ量
特に黒や黒っぽい色は気を付けましょう。
一つの色に対し、インキ総量が300%を超えてしまうと印刷トラブルの原因となります。
基本的には、リッチブラックは使用せず、K100%で黒色を再現するのが良いです。
特色の使用
基本的に特色は使用できません。
(特色印刷をする場合は除く)
特色が使用されていると、印刷用データにした時に、CMYK(プロセスカラー)に変換されますが、
このCMYK(プロセスカラー)への変換の際に予想外のカラーに入れ替わる・または一部が印刷されない等、不具合が発生する恐れがあるためです。
「ウィンドウ」→「ドキュメント情報」
で、「ドキュメント情報」パネルを開いたら、
右上の三本バーのメニューより、「特色オブジェクト」を選択します。
(この際、一番上の「選択オブジェクトのみ」のチェックが外れていることを確認してください)
ここで、「特色オブジェクト:なし」となっていればOKです。
もし、DIC●●などの表示があった場合は特色がどこかで使用されている、ということです。
特色が使用されている場合、「スウォッチ」パネルを確認すると、
下記のように右下に白い三角と点がつきます。
この特色部分をダブルクリックすると、
「スウォッチオプション」パネルが開きます。
下記のように
・カラータイプを「プロセスカラー」
・グローバルのチェックを外す
・カラーモード「CMYK」
に変更して「OK」をクリックします。
すると、先ほどの右下の白い三角と点が消え、CMYKプロセスカラーに変換されたことがわかります。
データ完成後に行うこと
レイヤーのロック解除
画像のように鍵マークがついてるオブジェクトは、選択されなくなります。
入稿の際にはトラブルの元になりますので、必ずすべてのレイヤーのロックは外しましょう。
目隠しされたオブジェクトの削除
画像のように目のマークが消えているオブジェクトは、
アートボード上ではみえませんが、データ自体はそこにあります。
いらないオブジェクトの場合は、きちんと削除してから入稿しましょう。
「オブジェクト」→「すべてを表示」
で、目隠しされていたオブジェクトが選択された状態ででてきます。
これを、そのまま「delete」することで削除することができます。
文字のアウトライン
データを送った相手のPC環境に使用しているフォントがダウンロードされていない場合、
勝手に違うフォントに置き換わってしまったり、開けなかったりしてしまいます。
文字を文字データではなく、オブジェクト化させることで、そういった不具合を避けることができます。
オブジェクトをすべて選択し(⌘A)、
「書式」→「アウトラインを作成」(または、ショートカットキーshift +⌘+O)
※アウトライン化の前には必ず、レイヤーロックが掛かっていないことを確認してください。
※アウトライン化した文字はテキストとして編集ができないので、ご注意ください。
書式>フォント検索でフォントが出なければすべての文字がアウトラインされたということです。
オーバープリントの設定
オーバープリントとは、上に配置されている文字やオブジェクトと、
下に配置されている文字やオブジェクトのカラーが、
重なった状態で印刷する機能のことです。
つまり、色のついたオブジェクトの上に白の文字を重ねている場合、
白の総インキ量は0%のため、実際の印刷物上では、消えてなくなってしまいます。
他にも特に意図しないオーパープリントは大事故につながりますので、
オーバープリント設定になっている場合は、必ず解除しましょう。
「ウィンドウ」→「属性」でパネルを開き、
「塗りにオーバープリント」「線にオーバープリント」
両方のチェックを外れているか確認します。
チェックがついている場合は外しましょう。
リンク画像をフォルダに格納
画像をリンクさせているデータの場合は、
その画像をIllustratorデータの入っているフォルダと同じフォルダに格納してから、
入稿しましょう。
リンク画像を一緒に入稿しないと、相手のPCでは、リンク切れ、という状態になり、
画像が表示されません。
保存形式の確認
印刷会社によって、Illustratorのバージョンの指定がある場合があります。
確認をして入稿しましょう。
また、ファイル名は英数字が好ましいと言われています。
入稿時、高解像度のPDFも一緒に入稿すると安心です。
まとめ
たくさんの確認事項がありましたが、
これらのチェックポイントをクリアし、
トラブルのない印刷物に仕上がるといいですね!
おわり!